気管支喘息
気管支とは空気の通るトンネルのことです。みなさんは息を吸うと気管支を通って
肺に空気が運ばれます。そのトンネルが慢性的(いつもってことです)な炎症
(赤く腫れぼったくなる状態です)をおこし、気管支が過敏になっている状態が気管支喘息です。
原因は多種にわたり、特定は難しいです。アレルギー体質がありなんらかの物質に
強く反応し起こる場合もあれば、ストレスなどの神経性のものもあります。
若年者(小児喘息)はアトピー性(簡単に言えばアレルギー性)のことが多く、成人はなんらかの感染
(風邪をひいたり、気管支炎をおこしたり・・)をきっかけに炎症が慢性化するためにおこることが多いです。
気管支が炎症をおこし過敏になっていると、ちょっとした刺激で気管支が収縮をおこしさらに細くなります。
このような状態が喘息発作です。たとえばお部屋の掃除をしただけでハウスダストを多く吸い発作が
誘発されたり、また、運動が刺激となり発作を起こしたり、ストレスなどの神経性の要因
で起こしたりします。ひどい発作になると完全に気管支がふさがって息ができない状態(窒息)
を起こし危険な状態にもなります。このような発作は重積発作といい命にかかわります。
では喘息の治療はどうするのでしょう。
根本的な治療は気管支の炎症をとることです。
炎症をとるお薬は現在主流は吸入のステロイド剤です。
吸入とは吸うお薬のことで、薬の入った吸入器を使います。吸入のメリットは病変が気管支ですので、
直接局所にお薬がいき、全身への影響が少ないということです。またデメリットは吸入器を使うのに
慣れがある程度必要ということです。個人差はありますが。
その他のお薬は、発作を改善する即効的な気管支を拡げる薬や、常に気管支を拡げておく薬などです。
これらのお薬を使うと症状が改善しますが、根本的には気管支の炎症が治らなければいけません。
決して症状が改善したからといって、自分の判断でお薬を止めることはしないで下さい。
先の重積発作を起こす人は、きちんとお薬を使わない人に多くみられます。
必ず主治医と相談のもと治療して下さい。